「えっ、伊鳥ちゃん!?」
「うわっ、ヤバっ」
太陽君以外の男の子が皆こっちを見ていて、驚きの声を上げた。
な、何だろう……?
「何だよ、太陽!伊鳥ちゃんに来てもらってるとか……まさか、彼女じゃないよな!?」
「うわっ、それだったらマジショックなんだけど!」
「違ーよ!ってか、輝楽兄もいるだろ!」
そのやりとりを聞きながら首を傾げた。
そもそも、どうして私の名前を知ってるのかな……?
話したことのない人のはずなのに……
「へぇ、君があの有名な伊鳥ちゃんか」
考えていたら、1人の男の人が近づいてきた。
ちょっと、怖い……
「あっ、先輩!あんまり近づかないであげてください!」
それに気づいたのか、太陽君がそう言ってくれて。
「あっ、ごめんね」
離れてくれたことにホッとした。
それにしても、この人先輩なんだ……
でも、私が有名ってどういうことだろう……?
太陽君も前に言ってたけど……
「あの、私が有名ってどういうことですか?」
「自覚してない系か。可愛いね」
わ、訳が分からない。
可愛くもないのに……
この先輩、目が悪いのかな……?
「はぁ。もう行こう、伊鳥ちゃん。じゃあ、太陽。また後で」
「あ、はい。いや、その前に太陽君に言いたいことがあるので……」



