輝楽さんがお兄さんなら、妹でも可愛がりそうだなと思ったから。
「お兄さんなの?」
えっ……
輝楽さんを見ると、何故か不満げな顔をしていて。
「えっと……」
戸惑った声を出したからかな……輝楽さんは急にハッと我に返ったみたいだった。
「ごめん、何でもない。今の忘れて。今日の俺、なんか変だ」
何だったのか分からない。
でも、何故か私の胸は妙に高鳴っていて。
今度は自分自身に戸惑う。
何だろう……
今日はこんなにも動悸が……
誤魔化すために、試合をしている太陽君に目を向けた。
今、サーブでサービスエースを取った。
「もう太陽かっこよすぎ!」
「ヤバイ!」
ほんと、太陽君はかっこいい……
ほとんど太陽君が点を取って、その試合は終わった。
「今から休憩がはさまるから、太陽のとこ行ってくる」
「あ、なら私も行きます」
水筒を届けに行くんだと思うけど、輝楽さんが立ち上がって私もついていった。
正直、ここに1人で残されるのはやだったから。
「あ、輝楽兄!それに!伊鳥も!」
「ほら、太陽。水筒」
「輝楽兄、ありがとう!」
面倒見のいいお兄さんだね……
その様子にそう思いながら、太陽君に労いの言葉をかけようとしたら、



