「うん、気持ちは受け取っておくね。本当にありがとう」


自然と滲み出た笑顔。


あの家で笑えたことはない。


笑っていたとしても作った笑顔で、本当に笑えた時なんてなかった。


由香ちゃんといる時とか笑うけど。


皆とも、普通に笑うことができた。


やっぱり、自然な笑顔にならないのはあの家でだけみたい。


「やばい……」


「同性でもクラッとくる笑顔」


「ほんと可愛い……」


何やら呟いてるけど……不思議になって、あずちゃん達を見つめていると、


「気にしないでいいよ。それより、まだ始めないのかな」


「確かにそうだね」


気にしないでいいよと言われたから、気にしないようにした。


でも、確かにそう。


もうだいぶ揃ったはずなのに……


「お、もう揃ったな!じゃあ、同窓会始めるぞー!」


ちょうど話していたところで、開始するみたい。


クラスでも目立っていた男の子が声を上げた。


すると、口々にツッコミが入る。


「お前は合コンの幹部かよ!」

 
「そもそも、始めるぞーって何だ!?今まで始まってなかったのか!?」


あはは、変わらず明るいクラスだなぁ……


私はそれを少し笑って見ていた。


始めは、楽しくおしゃべり。


あずちゃん達だけじゃなくて、他の子とももちろん喋った。