「ごめん、伊鳥。勝手に言って」
「ううん、いいよ。言っても別に困ることはないし」
太陽君に迷惑かけたくないし、それは別にいい。
輝楽さんの名前を言ったからきっと騒ぎになると思うけど、いい機会だよね。
「なら、よかった!」
勝手に言ったことに対して罪悪感があったのかな……
安心したような顔になる太陽君。
そんなことで怒るわけないのに……
「そういえば、伊鳥。俺に渡したいものって何?輝楽兄に渡したいものっていうのは分かるけど」
「それは家に着いてからのお楽しみだよ」
「なるほどな!なら、楽しみにしとく!」
自分でハードル上げたくせに、そこまで期待はしてほしくないな……なんて矛盾したことを考えてしまう。
「それにしても、大量だね」
太陽君の手には、大量のチョコレートがあった。
いろんな女の子からもらったんだろうな。
「あぁ、まぁな」
指摘すると、太陽君から苦笑いが返ってきた。
これを全部食べきらなきゃいけないんだもんね。
大変そうだ。
「でも、これでもいつもよりは少ないんだよ」
「そうなの?」
なんて話していたら、あっという間にマンションに着いて中に入る。
「お邪魔します」
「はは、伊鳥は相変わらず礼儀正しいな。輝楽兄の彼女なんだから、いちいち言う必要ねえのに」



