挙動不審な私に不審には思っただろうけど、特に言及されず。
そのことに少しホッとした。
「今から同窓会があるんだけど、行ってもいい?」
「えっ……」
急に言われた言葉にびっくりした。
同窓会……?
そんなの一言も……
そもそも、どうして私に判断を委ねるのかな……?
輝楽さんを見ると、どこか試そうとしているような瞳をしている。
「……いいですよ」
行ってほしくないよ……
でも、バカ正直に言うわけにもいかない。
それに、私にそんなこと言う権利なんてないから。
「そうだよな。伊鳥と俺だったら、やっぱり俺の方が……」
どこか拗ねたような顔をして黙り込む。
どうしたんだろう……?
続きを語らないから、意味も分からない。
もしかして、何か決定的なことを言わせようとしてたのかな……?
「……じゃあ、行ってくる。バイバイ、伊鳥」
「はい、また……」
疑問に思ってる間に輝楽さんは向きを変え、去っていった。
その姿が見えなくなるまで、苦しい想いを抱えたまま見送った。
……もう入ろう。
輝楽さんの姿が完全に見えなくなって、家の中に入った。
「ただいま」
お父さんは帰ってきてないから、家には誰もいない。
無意味でも、今の心境だからこそ言った。



