くしゃみをされるなんて普通嫌なはずなのに、それが可愛いなんて変わってる。
「最近やる事なす事全てが可愛いとしか思えないんだよな」
でも、その言葉に単純な私は嬉しくなって。
モヤモヤしていた気持ちが少しは晴れた。
「輝楽さんは変わり者ですね」
「彼女に対してはだいたいの奴がこうなると思うけど」
そうかなぁ……?
肇さんは確かにそうかもしれないけど……
「伊鳥」
「何ですか?」
そんな風に考えていると、輝楽さんに呼ばれて返事をする。
「これ、巻いて」
そう言って渡されたのは、マフラーだった。
「いえ、いいですよ!私は大丈夫ですから」
「伊鳥が寒そうにしてるのを見てる方が嫌だよ。別に俺なら平気だから」
遠慮した私にいつまでもずっと差し出されたままで……
遠慮がちにマフラーを受け取らせてもらった。
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
さっそく首に巻くと、それだけでも大分違って。
そして、輝楽さんの匂いがした。
いい匂い……
ってなんか変態みたい。
一瞬でもそんなことを考えた自分が恥ずかしかった。
「伊鳥」
「な、何ですか?」



