いつまで経っても慣れないあの甘さ。
少しは抑えてほしいのに、抑えてくれない。
「イチャついてるとこ悪いけど、もうそろそろ中に入ってくれる?」
聞こえてきた声にハッとして、慌てて離れた。
「す、すみません、宇内先輩」
「宇内先輩、邪魔しないでくださいよ」
謝った私とは正反対の輝楽さんの言葉。
宇内先輩に見られてただでさえ恥ずかしいのに……
かぁと顔が赤くなるのを感じた。
「それは悪いとは思うけど、あんま長い間イチャついてたらオーナーに怒られるよ?」
「さっさと入ったら?」なんて言って、宇内先輩は入っていった。
お客さんが来る可能性もあったのに、私のバカ……
そう考えると、宇内先輩でよかった……
「はぁ。じゃあ、入る?伊鳥」
「はい、入ります。バイトしなきゃいけませんし。輝楽さんもですよね?」
「まぁ、そうだけど」
ぐずぐずしている輝楽さんを置いて、誤魔化すためにさっさと中に入った。
すると、輝楽さんも仕方なさそうな感じで入ってくる。
気持ちを切り替えて、しっかりとバイトモードに入った。
「キャー、生で見たらほんとにかっこいい!」
「店員さん、めっちゃかっこいいですね!」
すごく騒がしい。



