いつの間にか、君に恋していたんだ。



もしかして、ここに連れてきてしまったことが失敗だったかな……?


「伊鳥?」


どう断ろうか悩んでいると、私の名前を呼ぶ低い声。


その声に怒りを感じた。


「き、輝楽さん……」


声通りに顔が明らかに怒ってる。


視線はさっきまで道案内してた人に向けられていて、その人を睨んでる。


「その男、誰?」


「あ、えっと。ここの場所を聞かれたので、道案内してたんです」


動揺して、答えになってないことを言ってしまった。


「へー、道案内か。だったら、伊鳥にもう用はないよな。この子、俺の彼女だから。気安く触るなよ」


輝楽さんにギロッと睨まれたその人はやっぱり怯えたような顔をして。


「すみませんでした!」


そう言って、お店の中に入らず去っていってしまった。


残された私達の間に気まずい雰囲気が流れる。


どうにかしないと……


「伊鳥、何であんな奴の言葉を信じた?」


「ごめんなさい。道案内するだけならつて思ったんです」


まだ顔が怒ってる。


私のせいで迷惑をかけちゃったから……


「これからは道案内とかでも応じなくていい。知りませんとでも言っとけばいいから」


「分かりました」


ちゃんと気をつけなきゃ……