ここかT大……
さすが、国内トップの大学……
敷地が広いし、建物も大きい。
それに、設備もちゃんとされていて、綺麗だった。
思わず見惚れていると、あちこちから視線を感じた。
我に返って周囲を見回すと、ほとんどの人がこっちを見ていた。
注目されてる……
やっぱり、ここの学生じゃないって分かるからかな……?
一応私服だけど……高校生だから幼いだろうし、大学生には見られないよね。
「あの子、可愛くね?」
「めっちゃタイプなんだけど」
「誰か待ってんのかね」
でも、こうやって注目された上にこそこそ話されるの嫌だな……
きっとよくないこと言われてるんだろうし……
はぁとため息をついた後、持っていたものをぎゅっと抱き込んだ。
輝楽さんに早く届けよう……
でも、肝心の輝楽さんはどこにいるんだろう……?
こんなに広いから、そう簡単に見つかるわけないよね。
でも、輝楽さんに会いたいから……
探し回るしかないね。
そう思ったところで、思い出す。
そういえば、前に輝楽さんの大学に行ってもいいのか聞いた時、いい反応じゃなかった。
むしろ、嫌そうで……
もしかしたら、迷惑かもしれない。
ただ会いたいからって理由だけで来られるのは。
そう思ったら、急に憂鬱な気分に苛まれた。



