「サラサラ。綺麗な髪だねー、伊鳥ちゃん」
「え、えっと。ありがとうございます」
にっこりとした笑顔を浮かべながらそう言われた。
お礼を言いながらも、困惑気味な私。
急にどうしたんだろう……?
「勝手に触らないでもらえますか」
そんな私の前に輝楽さんが来て、私の髪に触れている氷河先輩に手を払った。
その顔は不機嫌そう。
前もこんな感じだったなと思い出しながら、この状況を見守る。
「許可取ったら、触ってもいいの?」
「……ダメです。伊鳥に触っていいのは俺だけですから」
そう言って、輝楽さんはぐいっと私の手を引っ張った。
そのせいでバランスを崩し、輝楽さんの胸に飛び込む形になる。
でも、かえってよかったかもしれない。
私の今の顔はきっと真っ赤だから。
「うわっ、独占欲強っ!神崎、伊鳥ちゃんのこと好きすぎだろ」
「そうですけど?」
「神崎がそんなタイプだとは思わなかったわ」
2人のやりとりを聞いて、ますます赤くなるばかり。
「面白い話聞けたし、俺は仕事に戻るな。あとから復活しろよ~」
顔は見えないけど、声は面白がってる感じだった。
足音が消えていき、私と輝楽さんの2人きり。
「き、輝楽さん、私達も戻りましょう」
「そんな赤い顔で戻るの?」



