想いが通じ合った。
それがすごく嬉しい。
「ありがとう、咲!」
ぎゅっと咲に抱きついた。
「こっちこそ!」
2人で笑い合って、しばらく抱きしめ合った。
「そういえば、前咲は『私が伊鳥のことを嫌いだと思ってる?』って聞いたよね。咲って私のことが嫌いだったんじゃないの?」
せっかくだから、気になることを聞いてみた。
「なわけない。私が伊鳥を嫌いになんてなるはずがないよ」
「なら、どうして……」
分からなかった。
嫌いじゃなかったら、何であんなことを言ったりしたのか。
「伊鳥は私よりも玉城先輩を頼りにしてるみたいだった。仲も私より良かったっぽいし。幼馴染みだからっていうのもあったかもしれないけど、悔しかった。私はただ伊鳥の唯一の親友になりたかったの。くだらないよね。嫉妬からあんなことをしてしまったなんて」
知らなかった。
そんなことを思っていたなんて……
「今のところ、私が呼び捨てで呼ぶのは咲だけだよ。咲は由香ちゃんと同じくらい大切な親友だから」
唯一っていうのは無理だけど、それでも咲が私の大切な親友であることに変わりなかった。
明るくて、優しい大好きな親友。
「もうっ!ずるいよ、伊鳥は!」
もう1度抱きつかれた。



