その次の日の朝。
私は咲とちゃんと向き合うことを決めてから、小夜さんの家を出た。
一応このことは小夜さんに話していて。
小夜さんは応援してくれて、もう決意は固まった。
放課後にケリをつけよう。
「咲」
珍しく周りに人がいなかった咲に、自分から話しかけた。
そのことに咲はすごく驚いてるみたい。
咲がこの学校に来てから、自分から話しかけたことなかったからね。
それに、名前で呼んだことも。
「どうしたの?伊鳥」
「放課後話したいことがあるの。ここの隣の空き家教室に来て」
「……うん、分かった」
咲が了承してくれて、ホッとした。
放課後になったら、ちゃんと話さないと……
もう逃げない。
緊張はしていたけど、いつも通り過ごす。
時間の経過はあっという間で、すぐに放課後がやってきた。
「話って何?」
咲から切り出されて、少し緊張しながら話す。
「昔のこと謝りたかったの。私は周りが本当に見えてなくて、咲にも美術部の皆にも迷惑をかけてしまった。咲に裏切られたことはショックだったけど、しょうがないよね。だって、私は酷かったから。ああ言われて当然だった。本当にごめんね、咲」
頭を深々と下げた。



