私の家庭事情を知っている2人が……
私、裏切られたってこと……?
情報がいっぱいで、頭がぐらぐらする。
「だって、ほんとにうざいんだもん、最近の伊鳥は特に。でも、その前から伊鳥のことは嫌だなって思ってたから」
「もう伊鳥とは付き合いきれねえ」
すごくショックでこのことはトラウマになってしまった。
その後、先生に怒られてしまって……
「まったく。琴月しっかりしろ!副部長という立場なのに、どうして支えてやらないんだ!しかも、家族に暴力を振るってたらしいな。部活内でこういうことがあったからには、美術部は廃部だ。分かったな!」
「はい……」
美術部が私のせいで潰れてしまった。
「……これが私の過去です」
話し終えると、自嘲気味に笑った。
「話すと案外あっけないですね」
私は今でもこの過去を引きずっている。
私のせいだってことは分かってる。
でも、裏切られたことも事実だから。
「無理して笑わなくていいから。今まで辛かったね。伊鳥ちゃんが抱えていた過去のことを話してくれてありがとう」
「そうそう!今まで伊鳥は頑張ってきてたじゃん!もう伊鳥が苦しむ必要はない!」
輝楽さんは優しい笑顔で私の頭を撫でてくれて、太陽君は明るい笑顔で私の肩に手を置いて慰めてくれた。
そう言ってもらえると、少し気持ちが楽になる。
「ありがとう、ございます」
泣きそうになってしまった。



