少し嫌そうな顔をしていたけど、輝楽さんは頷いた。


「よかったわ。じゃあ、冰室さん。神崎君に教えてもらいなさい」


「はい、分かりました!」


咲の教育係が輝楽さん……


私の時も輝楽さんに教えてもらったし、何もおかしなところはないけど……それでも、嫌だなって思ってしまう。


「不安?」


「えっ」


そんな時話しかけてきたのは、氷河先輩で。


「そんな顔してるからさ~神崎が女の子に付き添って教えるのが嫌なんだろ?」


「あ、はい。そうです」


少し恥ずかしく思いながら、正直に頷いた。


氷河先輩にはバレちゃってるんだね。


「ふーん。ねぇ、やっぱり伊鳥ちゃんって神崎のこと好きなの?」


「えっ……」


それにも気づいていたんだ……


「そ、そうです」


そう言った時、顔が赤くなっていくのを自覚した。


「可愛い~いいな、神崎は。こんな可愛い子に好かれて!」


「私に好意を抱かれても、輝楽さんはきっと困るだけですよ」


輝楽さんは女嫌いなんだから。


私のこと好きなんてありえないだろうし、言われても迷惑なだけ。


私はいつ想いを伝えることができるんだろう……?


「無自覚ちゃんって大変だな~神崎も苦労しそう」