いつの間にか、君に恋していたんだ。



「はぁ!?咲の申し出断るなんて最低!」


「咲は浮いてるあんたを仕方なく友達にしてあげようとしただけなのに!優しさを仇で返すなんて!」


「調子乗ってるんじゃないの!?」


女の子達は当然私を睨み、よりクラスの雰囲気が悪くなった。


「女子はうるさいな」


「ほんとそれだよな。ヒステリックになりすぎじゃね?」


男の子達は呆れ気味だった。


「何ですって!」


「男子は琴月さんの味方だものね!そっちの方がおかしいわ!」


本当に悪化してる……


私の問題なんだけど、向き合うことができない。


私がどうしようもなく弱い人間だから……


「……まぁ、そうだよね」


目の前から聞こえた声に顔を上げた。


咲の顔はどこか傷ついたような顔をしていて……


どうして、そんな顔を……


そう思っている間に咲は女の子達の方へと戻っていった。


「気にしなくていいからね、咲!」


「ほんと、琴月さんって性格悪いよね!」


「ありがとう!」


もうそんな顔をしていなくて、明るい笑顔に戻っていた。


女の子達は相変わらずだけど……さっきの咲の表情が頭に残った。


咲はどうしてあんな顔をしていたんだろう……?


でも、私には考えても考えても分からなかった。