明るく笑おうとしてるみたいだけど、笑えてないよ……
断られる前提で言ってくれたんだ……
相当勇気を出して言ってくれたんだろうな……
「伊鳥さ、俺に告白されて少しは輝楽兄への気持ち揺れた?」
切なそうな顔。
それを見ながら、私は太陽君に言われた質問の答えを考えてみた。
私、揺れたかな……?
太陽君の気持ちは素直に嬉しい。
でも、輝楽さんのことが好きだという気持ちは変わってない。
「気持ちは嬉しいよ。でも、揺れてない。私は輝楽さんのことが好きだから」
曖昧に言った方が傷つけることになると思った。
この選択は正しいかな……?
「ははっ、だよな。分かってた。ごめん、急に告白して。言わないで終わるよりいいと思ったんだ。でも、そう言ってくれてよかった。吹っ切るのに少し時間がかかるかもしれないけど、友達としてよろしくな!」
「うん」
太陽君は本当に優しい人……
今後気まずくならないようにそう言ってくれてるんだ。
きっと、太陽君にはすぐに素敵な人を彼女にすることができる気がする。
「ただいま」
「お邪魔しまーす!」
その時、ちょうど輝楽さんが帰ってきた。
後ろには紫織さんも。
「おかえり、輝楽兄、紫織!」
「おかえりなさい、輝楽さん、紫織さん」
やっぱり2人が一緒だということにショックを受けてしまう。
でも、諦めなきゃいけないから。
私はある決心をした。



