「はい、そうです。なんやかんや言ってラブラブみたいですね」
「やっぱり、そうなんだ!ああいうカップルって憧れちゃう~!」
「ですね」
そりゃあ、由香ちゃんや肇さんみたいな仲良いカップルは憧れるよね。
私も思うから。
今度はあんな感じになれたら嬉しいな……
由香ちゃんと肇さん、他の人の接客もしてその日のバイトは終わった。
「そういえば、伊鳥って輝楽兄と同じバイトなんだよな?」
「うん、そうだよ」
輝楽さんがバイトでいない中、太陽君と2人きり。
私は太陽君達の家でご飯を作っていた。
輝楽さんの分も。
作り終わると、それらをテーブルに並べる。
「やっぱ複雑だな……」
太陽君は苦笑いをして、小さく何かを呟いた。
私には何て言ったのか聞こえなくて……
「なんて言ったの?」
「いや、何でもないから!気にすんな!」
こういうことが多い。
太陽君も輝楽さんも、何か誤魔化してるみたいなんだ。
私に言えないようなことなのかな……?
それでも、悲しい。
「伊鳥、そんな顔すんなよ」
「えっ……」
顔を上げると、苦笑した太陽君の顔が映った。
「そんな顔って?」
「めっちゃ悲しそうな顔してるぞ」
そんなに悲しそうな顔してるんだ、私……



