「ゆ、由香ちゃん」
「本当に可愛いわ!その制服も似合ってる!伊鳥が1番といってもいいくらいにね!」
そんなわけないのに……贔屓目ってすごいよね。
ため息をつきながら、周りをチラリと観察する。
こちらを注目している人がほとんどだった。
さすがに騒がしくしすぎたよね……
「あの、由香ちゃん……」
「由香、伊鳥ちゃん離してあげなよ。妙に目立ってるし、伊鳥ちゃんちょっと泣きそうな顔してるし」
「えっ……あ。ごめんなさい、伊鳥」
「ううん、いいよ」
離してくれてホッとした。
泣きそうな顔してたのかは分からないけど、肇さんの言うとおり妙に目立ってたから。
私、目立つの好きじゃないんだよね。
っていうか、苦手。
「じゃあ、私戻るね」
「えっ、ちょっと待って!私、注文まだ……」
「あ、大丈夫!もう頼んどいたし!ジャンボパフェ、一緒に食べような?」
「頼んでくれてたのね!ありがとう、肇!」
「どういたしまして」
その雰囲気はカップルそのもので、私は小さく笑いながら仕事に戻った。
「ねぇねぇ、伊鳥ちゃん。さっき騒いでた2人って付き合ってるの?」
戻ると、女の先輩からそんなことを聞かれる。



