そんな顔……輝楽さんはまだ不機嫌そうな顔をしていた。
そんな輝楽さんに肇さんは悪戯っぽく笑う。
「彼女の親友?」
「そうそう!俺には由香っていう美人な彼女がいるからなー。伊鳥ちゃんは別に彼女じゃないよ!」
どうして、それを輝楽さんに言ってるんだろう……?
その言い回し、なんだか嫉妬した人に言ってるみたい。
輝楽さんが嫉妬とかありえないのに……
する理由もないし……
「じゃあ、俺の……」
でも、何故か途端に気まずそうな顔になって、厨房の方へと戻っていった。
「いやぁ、あんな奴なんだな!神崎輝楽って!」
肇さんは1人うんうんと頷いている。
「あんな奴って……」
「結構分かりやすいと思うけど、伊鳥ちゃんには分からないんだもんなー。まぁ、由香の言ってた通りってところだよ」
それって、結局どういうことなんだろう……?
でも、それを詳しく教えてくれることはなかった。
「いらっしゃいませ!」
その声に我に返った。
扉に目を向けてみると、そのお客さんは由香ちゃんだった。
「お、由香!」
「こっちこっち」と呼ぶ肇さん。
それにちょっと恥ずかしそうな顔をしてこっちに来た。



