俺達もいつまでもここにいるわけにはいかない。
「伊鳥ちゃん、来て」
「あ、はい」
まさか伊鳥ちゃんだったとは思わなくてびっくりしたけど、もう1つ……
伊鳥ちゃん、オーナーの姪だったとは……
オーナーとは確かに少し似ているかもしれない。
顔立ちとか、特に目が似てる。
「まさか、今日バイトに入ってくる子が伊鳥ちゃんとはね」
「はい。私も輝楽さんがここで働いてること知らなかったので、びっくりしました」
「俺もだよ。それに、オーナーの姪だったなんて知らなかった」
「話してませんでしたからね。それに、小夜さんはすごく美人ですけど、私は全然似てませんし。仮にも叔母なのに」
これはきっと本気で言ってる。
んなわけないのに……
「そう?似てるとこあると思うけど」
「えっ、どこがですか?」
「……はぁ。少しは自分の容姿を自覚してほしい」
思わずため息を吐いてしまう。
本音も漏れた。
伊鳥ちゃんみたいな子は少しは自覚してくれないと困る。
どれだけ自分が男を惹きつけるか分かってない。
現に、男の先輩はだいたいの人が可愛いと言っていた。
でも、伊鳥ちゃんはそれに全く気づいてない。
むしろ、私って場違いだなとでも思っていそうだ。



