〔輝楽side〕
はぁ、やっと終わった。
今日はバイトもないし、あとは家に帰って休もう。
大学の授業が終わり帰ろうと校門を出ると、女達が集まってくる。
「あの、輝楽君。今からお茶しない?」
「あ、ずるい!ねぇ、私としようよ!」
「私も!」
「無理」
低い声でそれだけ言って、俺はその集団から抜けた。
ここはレベルの高い大学だから、あんな女達はいないと思ってた。
随分余裕だよな。
心の中でそう皮肉る。
いつもこう。
大学の授業は結構面白いけど、女から声をかけられるから嫌いだ。
俺が1人でいると、だいたい声をかけてくる。
まぁ、友達といたら声はかけられにくいけど。
だから、俺はなるべく早く帰るようにしている。
別に早く帰っても必要な単位は取れるし、やばくなったら時間を調整すればいい。
1番は、ウザい女達の声を聞かなくてすむから。
さっきのことを思い出して、イライラしてきた。
誰が下心ありで近づいてくるやつの誘いを受けるっていうんだよ。
あいつら、俺が女嫌いだっていうの知ってるくせに。
俺の顔だけで好きになるやつにイライラする。
だって、そうだろ。
所詮、俺の顔しか見てないんだから。
俺は女に優しくしないから、顔以外ありえない。
こんな顔に生まれなければ、こんな風に声かけられることもなかった。



