「そう、ですか。とりあえず、慣れてもらえるように頑張ります。よろしくお願いします」


もう1度言って、頭を下げた。


「それ、2回目だけど。まぁ、ある程度距離を適度に保ってもらえればいいよ……よろしく、伊鳥ちゃん」


名前……それに、心臓がドキッとしたのを感じた。


何だろう、今の動機……


あ、認めてもらえるのが嬉しいのかも。


うん、きっとそうだよね。


そう自分の中で決定づけた。


「伊鳥、すごいな。輝楽兄を納得させた」


「とは言っても、女が嫌いなことに変わりはないから。3ヶ月終わったら、出ていってもらう」


冷めた声。


でも、神崎さんにとってこれが普通なんだよね。


いずれ、仲良くなれればいいな……


「はい、分かりました。あ、それと、料理冷めてしまったかもしれないですけど、食べてみてください」


私は口をつけずに様子を見る。


どうだろう……内心ドキドキしながら感想を待っていると


「美味っ!」


「美味い」


その言葉にホッと一安心。


「よかったです」


始まりは上々。


このままだったら、きっと大丈夫だよね……?