「伊鳥ちゃんには接客に回ってもらうわね」
「接客ですか……」
「そう。うち、裏方は結構いるんだけど、接客する人がいなくてね……だから、伊鳥ちゃん!頼んだわよ!」
な、なんか責任重大みたい……
でも、人はいる感じがするような……
小夜さんの言い方的に、もっと少ないのかと思ってたし……
「分かりました」
どっちかと言ったら調理の方に回りたかったけど、仕方ない。
接客苦手だけど、頑張ろう……
「じゃあ、伊鳥ちゃんに教えてあげる人、教育係を指名するわね。堀内君、お願いできるかしら?」
「あ、はい!分かりました!」
絶対面倒なはずなのに、何故かその人は嬉しそう。
こんな私に……優しい人だ。
「あ。えと、お願いしま……」
「オーナー」
私の声を遮ったのは、輝楽さん。
その顔が不機嫌そうで、びっくりした。
どうしたんだろう……?
そもそも、何で遮ったのかな……?
「何かしら、神崎君」
「それ、俺がします」
えっ、どういうこと……?
輝楽さんに戸惑いの目を向けると、輝楽さんもこっちを見ていて……バチッと目が合う。
それと同時に、突き刺すような視線も感じた。
な、何、この視線……
感じた方向を見てみると、さっき私が自己紹介した後笑ってなかった人だった。
憎しみのこもったような眼差しで睨み付けられる。
美人が睨むと迫力があるって言うけど、本当かも……



