お兄さんはそれに気づいたらしくて、冷ややかな目で見られた。


うぅ、怖い。


「すみません。何でもないです」


縮こまりながら答える私。


女の人が苦手なんだから、こんな目をされてもしょうがないんだろうけど……こんな冷たい感じでいてほしくないな。


「輝楽兄、怖がってるじゃん。伊鳥は何もしてないんだからさ。一応言っとくけど、伊鳥は輝楽兄の知ってる女の子じゃないよ」


太陽君が私を庇うように立ってくれた。


……情けないなぁ、私。


お兄さんの女嫌いの克服の手伝いをするって言ったのに、私がこんななんて……


しっかりしなくちゃ。


「あの。私のことよく思ってないのは分かってます。神崎さんが女嫌いなのは、太陽君から聞きましたから。私のこと嫌いでもいいですけど、できれば仲良くしてもらえたら嬉しいです」


言い切った後、恐る恐る神崎さんの方を見た。


「はぁ、分かった。そんな怯えなくても大丈夫だから。それと、別に君のことが嫌いってわけじゃない。ただ、女が嫌いなんだ。君のこと、女ってひと区切りにしてるだけ」


頭をかきながら、そう呟くように言う神崎さん。


そんな感じも絵になる。