さっきの気持ちは薄れ、自分のことみたいにドキドキしてくる。
もしかして……
「何?」
「あ、あの、お話したいことがあるんです。来てもらえませんか?」
「えぇ、分かったわ」
多分、由香ちゃんは分かってる。
きっと告白だって。
あの男の子も勇気あるなぁ……
由香ちゃんのことが好きなら、由香ちゃんに彼氏がいることだって知ってるはず。
それでも、告白するなんて……きっと、よっぽど由香ちゃんのことが好きなんだよね。
結果は分かってるけど、それでも切なく思ってしまう。
あの男の子の告白が叶うことはないから。
由香ちゃんも罪だなぁ……
本当にモテモテ。
昔から変わらなくて、由香ちゃんはよく告白されてた。
私はいつも振ったところしか見たことがないけど、彼氏さんの時は受けたんだよね。
それとも、由香ちゃんから告白したのかな?
私はそれすら知らない。
由香ちゃんが彼氏さんのことを話してくれたことがないから。
私は聞きたいんだけどな……
惚気みたいで嫌なのかな……?
分からないけど……1回くらいは会ってみたい。
「由香ー、いないのー?」
あれ?
誰かが由香ちゃんの名前を呼んでる……
その方向に目を向けてみると、背の高い明るそうな人が立っていた。
うわぁ、イケメンさんだ……
オーラがすごい。
なんか、タイプは太陽君みたいな感じ。
周りの女の子達もぼーと急に現れたその人を見ていた。
それにしても、あの人って……
じーと見ていたら、目が合った。



