太陽君と仲良くなって、数日経った。
「お願い、伊鳥!一生のお願いだ!」
そう言われて聞いてみると、太陽君のお母さんが3ヶ月間旅行でいなくなるんだって。
その間、家事は自分でしなきゃいけないらしいんだけど、家事は壊滅的らしい。
それで、3ヶ月間家政婦という形で家事をしてほしいんだって。
「分かった、いいよ」
「ありがとう、伊鳥!」
「ちょっと、伊鳥引き受けるの!?」
「うん」
その場には由香ちゃんもいて、私を心配そうに見ている。
多分、私が疲れて倒れることにならないか心配してくれてるんだよね。
「よし、今から家に来て!あとは、説得するだけだし」
説得?
何の?
最後の言葉が気になったけど、太陽君が私の手を引っ張ってずんずん先に行ってしまった。
「あっ、と。じゃあ、由香ちゃん、また明日!」
「えぇ、また明日!」
引きずられながら、なんとか由香ちゃんに挨拶をした。
少し経つと
「着いた!」
着いた場所はマンション。
マンションに住んでいるんだ。
しかも、高級そう。
ぼけーっと見ていると、急かされた。
「ほら、行くぞ!ごめんけど、階段使うから!俺達の部屋は8階だからな!」
はっ、8階!?
びっくりしてしまったけど、最後の言葉もきになった。
ご兄弟さんがいるのかな……?
一気に8階まで上がって、体力があまりない私は息切れしてしまう。
つ、疲れた……
その間に、太陽君は鍵を取り出して開ける。



