「あ、次檜山君達のクラスよ」
紗奈ちゃんの指差した方向には、湊君がいた。
「本当だ」
「ふゆ、せっかくだし応援したら?」
「ううん、いいよ」
ここから応援しても届かないだろうし。
「もう。まぁ、いいわ。とりあえず、見ましょ」
スポーツに関する知識ゼロの私でも分かる湊君のすごさ。
多分、このコートで1番上手い。
「キャー、檜山君ー!」
「頑張ってー、湊君ー!」
急に聞こえてきた女の子の湊君への声援。
さすが、人気だな……
感心すると同時に、モヤモヤした気持ちが広がっていく。
はぁ、やだなぁ……
「すごい人気ね」
「ほんと、すごいよね」
こんな人気な人、めったにいないよね。
私もこの女の子達みたいに普通に応援できたら……
こんなことを考えるべきじゃないけど、つい考えてしまった。
今、24ー20で湊君のクラスが勝ってる。
あと1点。
湊君のクラスが勝ってほしい……
祈るような気持ちで見ていると
「湊ー、頑張れー!」
不意に萌ちゃんの応援する声が聞こえてきた。
それを合図に、湊君はスパイクを決めた。



