「何考えてるのか手に取るように分かるよ。ふゆちゃんはちゃんと優しいよ?僕なんかより」
おちゃらけてるのに、今は少し真剣な顔。
なんか調子狂っちゃう。
「そうですか。そうだったら、嬉しいです」
私は優しいなんて全く思わないけど……
「ふっ。あ、ふゆちゃんのそのお弁当手作り?」
いきなり話が変わった。
優しいからお弁当になったよ。
「はい、そうです」
「へー、美味しそうだね。さすが、ふゆちゃん」
そう言う佐野先輩のお弁当も美味しそう。
お母さん、料理上手なのかな?
「佐野先輩のお弁当も美味しそうです。お母さん、料理作るの上手なんですね」
私の言葉に一瞬悲しそうな顔をした。
でも、本当に一瞬ですぐにその顔も消えた。
何だったんだろう……?
「これ、僕が作ったんだよ」
「えっ、そうなんですか!?」
意外すぎて驚いてしまった。
佐野先輩って、料理できるんだ。
女子力高いな。
「それは本当だよ。こいつ、だいたい何でもできるから」
隣から凍堂先輩が話に割り込んできた。
何でもできるんだ……
羨ましい……
「何でもできるんですか。すごいですね」
紗奈ちゃんは素直に感心してる。
「あはは。別に何でもできるというわけじゃないよ。お弁当自分で作ってるのは、そういう環境というだけで」
環境……?
その言葉に引っかかったけど、特に聞かなかった。



