チャラい彼は、意外と一途



「えっと、大丈夫です」


「大丈夫ですけど、誰なんですか?」


「知ってる奴は知ってるかもね。名前は……」


そう言いかけたところで、ガチャと扉が開いた。


「あ、来たね」


佐野先輩の視線を追うと、佐野先輩と同じくらい整ってる男の人が。


ネクタイが青色だから、先輩。


佐野先輩と同じ。


「ごめん、遅れた」


「そこまで遅れてないから。早く座ったら?」


近づいてきてよく分かる。


その顔の整いぶりが……


でも、これだけ整ってたら女の子騒いでるよね。


何で、名前知らないんだろう……?


紗奈ちゃんは知ってるのかな……?


気になって紗奈ちゃんの方を見ると、固まってる。


「紗奈ちゃん……?」

 
目の前で手をひらひらさせても反応がない。


どうしたんだろう?


「り、律先輩……!」


えっ……


律先輩……?


「あれ、知ってるんだ?律、知り合い?」

 
「いや、初めて会ったよ。でも、俺は紗奈ちゃんのこと知ってたけど」
  
 
紗奈ちゃん……


いきなり名前呼び。


この人もチャラかったりするのかな……?


見た目は爽やか風だけど……   


「わ、私のこと知ってるんですか?こ、光栄です!」