チャラい彼は、意外と一途



またお説教。


でも、今回は嬉しいお説教かな。


「それなら、よかった」


「ふふっ、そうだよ。もっと自信もっていいからね」


「萌、次うちらだよ!」


「うん、分かった!すぐ行く!私達勝つから、ふゆちゃん達のクラスと試合することになるよ!待っててね!」


自信満々な言葉を吐いて、コートに行った。


「すごいな、萌ちゃん」


「勝つ気満々ね。試合できるの楽しみだわ」


うん、確かに。


「ふゆ」


「あ、湊君」


そんな時、湊君から声をかけられた。


途端に速くなる心臓の心拍数。


ほんと厄介だな……


「ふゆ、お疲れ。球技苦手だってよく言ってたのに、頑張ったな。上手かったよ」


「あ、ありがとう」


こんな嬉しい言葉は他になかった。


湊君だからだよね。


「次も頑張れ」


優しく笑って、頭を撫でてくれた。


ドキドキ


心臓の音が聞こえるんじゃないかって不安になるくらいくらい大きく鳴っている。


「うん、頑張るよ」


それを隠すために、笑って言った。


「ふっ、次は萌の試合か。一緒にここで見てもいいか?」


「うん、私はいいよ。紗奈ちゃんは?」


「私もいいわよ。おかまいなく」