チャラい彼は、意外と一途



にっこり笑って、こっちに近づいてくる。


でも、今度はそのまま体育館を出た。


「じゃあ、ごめんけど僕は帰るね。2人共、明日頑張ろう」


ひらひらと手を振って、帰っていった。


「見せてつけて帰っていったね」


「あの人、何がしないのか分からないわ」


それから、私達はもう少し練習をしてから帰った。


明日は本番の球技大会。


頑張らないと……


決意を固める私だった。







本番当日。


体育館には、大勢の人がいた。


ワイワイガヤガヤ、まるでお祭り騒ぎ。


「ふゆー、頑張ろう!」


「うん、頑張ろうね」


紗奈ちゃんは特に気合いが入ってる。


私は好きじゃないから、紗奈ちゃんほど気合いは入ってないけど、湊君に変なところは見せたくないから少し気合いが入ってるかな。


「あー、ふゆちゃん!」


萌ちゃんがこっちに気づいて、手を振って向かってきた。


「おはよう!」


「おはよう、萌ちゃん」


「クラス違うから当たるかも!私、負けないよ!頑張ろうね!」


「うん、そうだね」


にこっと可愛い笑顔を浮かべている萌ちゃん。


そのせいか、皆こっちを見てる。