その声は私の好きな湊君。
「湊君」
「ふゆ、久しぶりに一緒に帰らないか?今日、萌は用事があるらしいから」
「えっ、でも……今日は紗奈ちゃんと一緒に帰る約束をしてて……」
「いいから!私のことは気にせず2人で帰りなさい!檜山君、ふゆのことよろしくね」
「あぁ。ありがとう、柳樂」
普通なら怒るところだと思うけど、紗奈ちゃんは気を遣って2人きりにしてくれた。
本当に申し訳ない。
明日、ちゃんと謝らなきゃ……
「じゃあ、行くか。ふゆ」
「う、うん」
湊君が歩き出して、私もそれについていく。
「一ノ瀬さん、バイバイ」
その時、ちょうど久隆君が通りかかって、挨拶をしてきた。
「バイバイ、久隆君」
手を振ってきたから、私も手を振り返した。
「……久隆と仲良いのか?」
「えっ、あ、うん。今日、友達になったんだ」
「そうか」
何やら、思案顔。
逆に、私はこの状況に緊張していた。
幼馴染みとはいえ好きな人だから、やっぱり緊張してしまう。
「ふゆ、あいつらには気をつけろよ」
「えっ……」



