私、今まで遅刻したことないから。
これでチャイムが鳴ってたら、遅刻したことになるところだった。
ホッとしつつ、自分の席に座ってすぐに次の授業の準備をした。
今日は珍しく佐野先輩が来ることはなく、平和に過ごせた。
「今日ほ珍しく佐野先輩来なかったね」
「う、うん。そうだね」
また久隆君に話しかけられた。
しかも、佐野先輩のこと。
「何でだろうね」
「うーん、分からないけど。そういう気分だったんじゃないかな」
久隆君と佐野先輩の話をするなんて、なんか変な感じ。
まぁ、佐野先輩は毎日のようにこのクラスに来てたから、そう言ってるんだろうけど。
「そういえば、一ノ瀬さん5組に行ったんだよね。檜山に会えたの?」
「うん、会えたよ」
「そうなんだ。よかったね」
何で急に話しかけてくるようになったんだろう……?
こんな人気者なんだから、いくらでも話し相手はいると思うのに……
「あの、久隆君」
「何?」
「どうして、久隆君は私に話しかけてくるようになったの?」
「あぁ。それは一ノ瀬さんと仲良くなりたいと思ったからだよ」
私と仲良くなりたい……?



