チャラい彼は、意外と一途



授業が終わると、さっそく私は5組に向かおうとした。


「あれ?一ノ瀬さん、どこ行くの?」


「えっと、5組に」


「あぁ、檜山のとこか。いってらっしゃい」


「うん」


爽やかに笑って、手を振られた。


今まで話したこともなかったのに……


不思議に思いつつ、湊君のクラスに行った。


覗いてみると、湊君はいないみたいだった。


うーん、どうなんだろう……?


結局分からなかったけど、私は自分の教室に戻ろうとした。


……あ、でもその前に自動販売機に行こう。


今日お茶持ってなくて、お弁当の時にないと困るから。


引き返して、自動販売機があるところに向かった。


ここの学校の自動販売機は、結構奥にある。


まあまあ遠いから、時間がかかっちゃうんだよね。


自動販売機にたどり着くと、先客がいた。


「湊君!」


その人は、湊君だった。


「あ、ふゆ」


声をかけると、気がついたみたいで振り返って少し笑ってくれた。


「熱、治った?」


「あぁ。今朝測ったら、36度8分まで下がってたからな」


「そう、よかった」


湊君の口から出た治ったって言葉に安心した。