「さっき聞こえちゃったんだけど、一ノ瀬さんってやっぱり檜山のことが好きなの?」
「えっ……」
き、聞こえてたんだ……
近くにいたってことかな……?
っていうか、やっぱりって……バレてるってことだよね?
私、そんなに分かりやすい?
「あ、うん。そう」
「へぇ、やっぱりそうなんだ。なら、このクラスの大半の男が泣くはめになるってわけか」
「えっ……ど、どうして?」
このクラスの男の子が泣くことになるなんて……
私、何か酷いことをするのかな……?
「自覚なしか。いつもこうなの?柳樂さん」
「そうよ。ふゆは鈍いの」
「ふーん、彼氏になった男は苦労しそうだね」
な、なんか勝手に話してるみたいだけど……
しかも、私が無自覚だとか鈍いとか。
「授業が始まりますよ。席に着いてください」
ちょうど先生がやってきて、皆それぞれ自分の席に戻った。
「起立、礼!」
学級委員の挨拶で、授業がいつも通り始まった。
私はそれを聞きながら、湊君のことを考えた。
本当に来てるのかなって。
授業終わったら、5組に行ってみようかな……



