「ふゆちゃん、もしかして嫉妬してくれてる?」
その声は、どこか嬉しそう。
それに、少し腹が立った。
「そうですよ。悪いですか?」
「ううん、嬉しいよ。ふゆちゃんは、おまり嫉妬してくれないからね」
それは、佑都先輩が知らないだけ。
私がどれだけ嫉妬深いか……
こんな醜い私をさらけ出したくなくて、いつも隠してる。
「大丈夫だよ。僕はふゆちゃんだけだから」
いつもの甘いセリフの後、私は抱きしめられた。
ここは人前だということを忘れてしまう。
佑都先輩の腕の中。
いつものしつこくないけど、甘い香りが鼻をくすぐる。
私は忘れていたんだ。
凍堂先輩もいたということを。
「イチャついてるとこ悪いけど、俺もいるんだけど……」
見てみると、少し困ったような呆れたような顔を浮かべた凍堂先輩がいた。
「あ、すみません!」
「あぁ。ごめん、律」
慌てた私は佑都先輩を突き飛ばした。
それを気にせず、
「じゃあ、入ろうか」
にこやかにそう告げた。
中に入ると、オシャレな雰囲気が出ていた。
……へー、こんなお店だったんだ。



