はいと手渡された物。
それは薔薇の香りがするリップだった。
「あの、どうして2個も……」
「だって、ふゆちゃん今日誕生日でしょ?」
「えっ……」
目を見開いて、驚いてしまった。
どうして、私の誕生日を……
教えてなかったのに……
「どうして知ってるんですか?」
「さっきからそればっかりだね」
佑都先輩は少し笑って。
「知ってるよ。いろいろな人にリサーチすれば分かるしね」
驚かされてばっかりだ。
紗奈ちゃんから聞いたのかな……?
いや、昨日の電話した感じじゃ違うよね。
私の誕生日を知っている人……あ、もしかして湊君?
「湊君から聞いたんですか?」
「分かっちゃったか。そう、湊君だよ。その代わり、ふゆちゃんを大切にしろっていう条件付きでね」
わざわざ聞いた佑都先輩もだけど、湊君も教えたんだ……
もう、ずるいよ……
「ずるいですよ」
涙が溢れてきた。
嬉しい嬉しい涙が……
「ふっ。ふゆちゃんも教えてくれればよかったんだけどね。まぁ、間に合ってよかった。ふゆちゃん、最近唇がカサカサしてるみたいだったから、リップにしたんだ」



