誰かが悪者になろうとする。
でも、もう私には誰が悪いとかそんなの思わない。
誰も悪くないよね。
萌ちゃんはただ佐野先輩を好きになってしまっただけ。
佐野先輩と湊君はただ私を好きになってしまっただけ。
私はただ佐野先輩を好きになってしまっただけ。
お互い誰かを好きになってしまっただけなんだ……
「佑都のせいじゃないから。謝らなくていいよ」
「そうですよ。皆悪くないです。お互いが誰かを好きになってしまった。ただそれだけなんですから」
すると、シーンと静まり返ってしまった。
違うの、かな……?
「ふっ、ふゆちゃんの言うとおりだね。お互い責め合うのはやめにしようか。馬鹿馬鹿しくなってくる。萌、ちゃんと言わせてもらうよ。僕はふゆちゃんのことが好きなんだ。だから、別れてほしい」
「……うん、いいよ。佑都、付き合ってくれてありがとう。少しの間だったけど、楽しかったよ」
「僕も楽しかったよ。ありがとう、萌」
2人は見つめ合って微笑んだ。
仲の良さそうな様子に少しだけ嫉妬してしまったのは、私だけの秘密。
「じゃあね、佑都、ふゆちゃん。お幸せにね」
「ありがとう、萌ちゃん」
「萌、本当にありがとう」



