前もこのメンバーで食べたけど、あの時とは私と佐野先輩の関係が違う。
あの時は……うーん、友達とは言わないよね。
ただの先輩、かな。
でも、今は未だに信じられないけど、私と佐野は恋人同士。
付き合ってるんだよね。
「今まで何回か食べたけど、関係が違うからかな。ちょっと緊張するよね」
「はい、そうですよね。でも、佐野先輩って緊張とかするんですか?」
「なにそれ。僕、緊張しないって思われてるの?」
「だって、いつも余裕たっぷりのイメージしかないですから」
私は余裕なくていっぱいいっぱいでも、佐野先輩は余裕でそれが少し不安になる。
私ばっかりドキドキしてるんじゃないかって。
前までなら佐野先輩の方が私を好きだったのかもしれないけど、今は私の方が佐野先輩のことを好きな気がする。
いつの間にか、抜いてしまったような感じがするんだ。
「僕が余裕?僕に余裕なんてないよ」
「それは嘘ですよ」
それで余裕がないのなら、私は全然余裕がないってことだよね。
「ほんとだよ。ただ隠してるだけ。男って好きな子の前ではかっこつけたいもんだからね。僕だってそう。僕は好きな子の前では全然余裕ないから」
ドキッとしてしまいながら、意味を考える。
隠してるだけって……あ、そういえば、球技大会で抱きつかれた時、妙に心臓の音が速かったような……



