「でも、付き合ってるんだから、私が佐野先輩に告白するの嫌じゃないの?」
「もともと、私がふゆちゃんの邪魔をしてこの地位を得たものだから」
「……?」
どういうこと……?
「本当は知ってたの。でも、分かってて邪魔をした。ごめんね、ふゆちゃん。意地悪なこと言って」
謝ってくれてる……
萌ちゃんはやっぱりなんやかんやいって、優しい子だな……
「ううん。佐野先輩のこと好きなら、しょうがないよ」
「……ほんと、ふゆちゃんは優しいね。佑都にはもったいない子だ」
「えっ、そんなことないよ」
別に私は優しくない。
萌ちゃんの方が優しいと思う。
「ふふっ、そういうことにしておこうか。じゃあ、頑張ってね。意地悪なことしといてなんだけど、応援してるから」
「ありがとう。頑張るね!」
「うん!じゃあね!」
よかった……
萌ちゃんと仲直りだ。
いい気分のまま、告白できる……!
中庭に行くと、まだ佐野先輩は来ていなかった。
うー、より緊張が増してきた。
早く来てほしいな……
少し待ったところで、
「ふゆ、ちゃん?」
佐野先輩が来た。
本当に私が話があることを聞かされてなかったみたいで、こちらを見て驚いた顔をした。
「律、見なかった?」
「見てないです」
「あいつ、話があるって言って人呼んだくせに来てないなんて」



