何度そう思ったか分からない。
そうすれば、皆幸せになれる。
私も湊君も佐野先輩も萌ちゃんも。
誰1人として。
なのに、もう戻ることはできない。
あんなに好きだった湊君から佐野先輩に心変わりしてしまった。
分からないけど、もう心変わりすることはないと思う。
それくらい佐野先輩のことが……
「ふゆ」
呼び止められて、顔を上げると
「湊君」
そこには湊君が立っていた。
「浮かない顔だな」
「そんな顔してる?」
「あぁ、してる」
傍から見たらそんな顔してるんだ……
湊君をちゃんと見ると、心配そうな顔。
私がこんな顔をさせてしまっている……
そう思ったら、心が苦しくなった。
「少し話さないか?」
「うん、話そう」
誘いを受けると、湊君が私の手を引っ張って人気のない場所へ。
「ここで話すか。ふゆ、浮かない顔してるのは佐野先輩のことでか?」
「うん、そうなの。佐野先輩、私と湊君が付き合ってると誤解したみたいで。私は誤解を解いて告白しようと思ったんだけど、佐野先輩にとって迷惑でしかないのかなと思ったらできなくなっちゃったんだ」



