湊君がこんなこと言うなんて……
湊君の姿に昔の自分の姿が重なった。
私はあの頃湊君のことが好きで、湊君はきっと私のことを幼馴染みとしてしか見てなかった。
そのことでいつも苦しんだ。
辛かった。
私のことをただの幼馴染みとしてしか見てもらえないことに……
でも、今は私が幼馴染みとしてしか見ていない。
湊君の中できっと消化できてないものがあるんだよね。
そもそも、振られるのが怖くて告白できなかった私とは、湊君は根本的に違っていた。
ここは、静かに受け入れるべきだよね。
湊君を見ながら思う。
きっと苦しんできたから。
湊君の別れた理由が私だったことにはびっくりだけど……
萌ちゃんのことが好きだったはずなのに、私を好きになって……少なからず戸惑いはあったと思う。
萌ちゃんみたいに。
湊君は鋭いから、今の私の気持ちには気づいてるはず。
別れてケリをつけにきた。
湊君はすごいよ。
私とは違って本当にすごい。
私なんかよりきっといい人が見つかるよ。
「もうこれでいい。ふゆ、俺のことをきっぱり振ってくれ。覚悟はできた。ちゃんと受け入れる」
顔を上げると、湊君の決意した瞳が私に映った。
振られると分かって告白できるなんて、本当の本当にすごいと思うよ。



