「最近いつも同じ子見てるけど、佑都の視線の先にいるのふゆちゃんって子だよね?」
それは1番仲が良い律にも気づかれていて、ある日こんなことを言われた。
自分でも自覚があった。
「うん。律知ってるんだね」
「まぁ。3年生のとこまで噂が流れてるくらいだし。実際見たけど、可愛い子だったよ」
「僕もそう思う」
でも、ふゆちゃんは自分の可愛さを自覚してないらしい。
何であんなに可愛いのに、自覚してないのか……
「それにしても、律がそんな風に言うなんて珍しいね。もしかして、ふゆちゃんのこと好きになっちゃったとか?」
「違うよ。俺には別の好きな子がいるから。その子も容姿が整っていて、綺麗な子だよ」
嘘、律に好きな子……
綺麗な子かぁ、誰だろう……
俺が思いつく中で、律好みの綺麗な子はまぁまぁ絞られる。
勘だけど、多分1年生。
ってことは……
「それって、紗奈ちゃん?それとも、萌?」
かなり絞り込んで聞いてみる。
まぁ、合ってるかは分からないけど……



