チャラい彼は、意外と一途



「うわ、あの3人めっちゃ可愛くね?」


「確かにヤバイな、あそこの3人。顔面偏差値半端ない」


「モデルかアイドルみたいだよな」


さっそく男達に騒がれてる3人。


その3人は言うまでもなく、ふゆちゃん、紗奈ちゃん、萌の3人。


皆本当に可愛くて、その中でも何故か僕はふゆちゃんのことが気になった。


萌のことをさしおいて気になるとかおかしな話だけど……


理由は自分でも分かってなかった。


「代表挨拶。本当は会長がする予定だったのですが、休みなので代わりに毎回主席の佐野君にやってもらいます。佐野佑都」


「はい」


気になるつつも、立ち上がり特に緊張せずに前に出て挨拶をした。


「……皆さんの学校が過ごしやすいものとなるよう祈っています。部活、勉強に励みながら楽しく過ごしてください。以上です」


当たり障りない挨拶を言ったつもり。


挨拶をしている間、新入生の女の子が僕の方をうっとりとしたような目で見てたことを気づいてた。


僕はちゃんと自分の容姿を自覚してるから、モテることも分かってる。


それに、容姿だけでなく、僕の家がお金持ちだから。


その両方のステータスを持ってる僕に近づく女の子は多かった。


でも、そんな中ふゆちゃんは意識が飛んでる様子で、それを見て僕は密かに笑ってしまった。


自惚れてたわけではないけど……いや、自惚れてたのかな。


容姿が整ってると言われる僕が挨拶してるのに、気づかず寝そうになってるなんて。


分からないと思ったけど、多分その時かも。


ふゆちゃんのことが本格的に気になり始めたのは……


廊下で見かけたら、ついふゆちゃんのことを目で追ってしまう。