「そうだったの」
こういう場合、迷子センターに行った方がいいよね。
この子を連れていったら時間はなくなるだろうけど、それでもいい。
それに、閉館時間は7時ちょっきり。
あと、1時間45分ある。
問題は、迷子センターがどこにあるのかということ。
佐野先輩なら、知ってるかな……?
「ふゆちゃん、お待たせ。あれ?その男の子は?」
ちょうど佐野先輩が来て、事情を説明した。
「なるほど。この子、迷子なんだね。僕、迷子センターの場所なら分かるよ。ついてきて」
さすが、佐野先輩。
男の子と手を繋いで、しっかりしている佐野先輩についていった。
向かっている間に名前を聞いてみた。
「君、名前は?」
「僕はありたけんとだよ」
「けんと君ね」
迷子センターに着いて、今度は職員の人に説明した。
「分かりました。放送してみますので、待っていてください」
職員の指示に従った。
これで、けんと君はお母さんに会うことができるね。
「お姉ちゃん、遊んで!」
「えーと……」
「お願い」
うっ、可愛すぎる。
それにしても、元気だな。



