「俺達も手を挙げようよ」
「いいですね」
楽しんだ者勝ちだよね。
こんな大人数の中、私達が選ばれるわけないんだし。
「では、そこの前の美男美女カップル。お願いします」
私達も前だけど。
どこなんだろう、その美男美女カップルさん。
絶対お似合いだよね。
「ふゆちゃん、僕達呼ばれたみたいだよ」
「えっ、でもカップルじゃないですし、私は美女じゃないですよ?他の方が呼ばれたんじゃ……」
「そんなこと言ってないで行くよ」
どうやら、本当に私達だったらしく大勢の人がこちらを注目していた。
私は緊張から萎縮してしまったけど、佐野先輩は慣れてるのか堂々としていて。
「近くで見ると、お2人共本当に整ってますね。可愛いカップルさんで」
カップルさん、その言葉にかぁと顔が赤くなった。
私達はカップルじゃない。
でも、職員さんがそんなこと知るはずもなかった。
「ありがとうございます」
佐野先輩はそれに物応じず、人当たりのいい笑顔で答えた。
慣れてるんだろうな……
こういう時、ちゃんと答えることができる佐野先輩が羨ましい。
「彼女さんの方は照れちゃってますね。可愛いですね」
「あっ、いえ。そんなことは」
こんなに大勢の前で言われるのは、本当に恥ずかしい。



