チャラい彼は、意外と一途



そう思って、黙って聞いた。


「さっきも言ったように忙しいからだけど、ほとんど帰ってこないんだ。帰ってきたとしても、家族らしい会話を交わすことなんてなくて。この人達は本当に僕の両親なんだろうかって何回も思ったよ。ただ、生活費だけが机に置いてあって。ずっと孤独だった。虚しいのと寂しいのが入り混じるんだよ」


そういうことだったんだ。


だから……


『弁当を作るのは、そういう環境ってだけで』


『佑都は寂しがり屋かんだよ。だから、いろいろな女の子と付き合ってるんだ。まぁ、あれのせいだけど』


引っかかった言葉が1本の糸みたいに繋がってく。


お弁当を自分で作るのはらお母さんが作ってくれないから。 


あれのせいっていうのは、両親が全く帰ってこないから。


佐野先輩はずっと寂しい思いをしてきた。


いつもおどけてて、本音を上手く隠してるように感じた。


そんな佐野先輩の本心が聞けて、私は嬉しかった。


私のことを信用してくれてるって思ったから。


「佐野先輩は1人じゃないですよ。私達がいます。ちゃんと佐野先輩のそばにいますよ」