そう、なんだ。
私、てっきり萌ちゃんと来たことがあるのかと思ってた。
「決めた。ふゆは何にする?」
「え、えっと……」
湊君が言っていたようにいろいろある。
さっさと決めないと……
「決めたよ」
「店員呼ぶな」
湊君が店員さんを呼んでくれて、すぐに店員さんが来た。
「お待たせしました。ご注文は何ですか?」
「俺、ステーキセットとブラックコーヒーで」
「私はミートソーススパゲッティとティラミスをお願いします」
「かしこまりました。ステーキセットとブラックコーヒー、ミートソーススパゲッティとティラミスですね。少々お待ちください」
料理が運ばれるまで、すごく暇。
「ごめんね。デザートまで頼んじゃって。ちゃんとお金を払うから」
「別にいい。これは、付き合ってくれたお礼だからな」
「そんな。お礼なんていいよ」
私は来たくて来たんだ。
親切心で来たわけじゃない。
確実に下心があったから。
「黙って奢らせとけよ」
にっと笑って、ポンポンと私の頭を優しく撫でた。
「分かった。お言葉に甘えさせてもらうね」



