狼姫と野獣

「クリスマスプレゼント届いた、遅くなったけどありがとう」

「それを言うためにわざわざ?寒いのに」

「バイク乗りは寒いのある程度慣れてるって。
今日は天気もいいから全然平気」

「うん、冬の雨の日なんて大変そう」

「ああ、手の感覚ないもんな。だから永遠にもらったコレすっげえありがたい」



コレ、と言いつつ手を擦り合わせる仕草をする快。

クリスマスにヒーターが内蔵されたグローブをプレゼントしたんだった。

早速使ってくれて嬉しい。



「ちょっとは違う?」

「全然違うよ。ほら、あったかい」



グローブから手を出して私の頬に触れる快。

大きくて暖かい手だった。



「永遠、冷たっ……ごめん俺、自分のことしか考えてなかった。
そんな薄着で寒いよな」

「ううん、大丈夫」



寒いけど心があったかいから問題ない。

なんてポエミーなこと快に言ったら引かれそうだから口に出さないけど。



「ほら、おいで」



頬に添えられていた手が背中に移動して私を抱き寄せる。

あれ、抱きしめられてる?

自然な動作で私を懐に収めた快は咳払いをした。



「……今のは、どさくさに紛れて抱きしめたかっただけ」

「ふふ、白状しちゃうんだ」

「悪いかよ」



勢い余って「違うよ、素直で好き」と抱きしめ返した後、少し時間を置いて「あのさ」快はためらいがちに口を開いた。



「全部解決したら付き合おう」