狼姫と野獣

「血、止まった?」



頭に巻いていたバンダナを外して傷の具合を確認する快。

いつも牙むき出しの野獣がまるで大人しい子犬みてえ。



「にしてもあの頭突き強烈だったな〜」



調子狂うから話しかけたらじとっと見つめてきた。

なんだよその顔、俺にキレたってどうしようもねえぞ。



「桐谷」

「なに?」

「ありがとう、仲裁してくれて」



かと思ったら律儀に頭を下げてきた。

こうやって塩らしいとこもあるから嫌いになねえんだよな。

快ってずるいヤツ。



「少しは頭冷えたか?」

「だいぶ……」



ぼそっと呟いて顔を上げた快は何か言いたげ。

なんだろう、だるそうなこと聞いてきそうだな。

まあ俺とこいつの仲だし聞いてやるか。